男前豆腐店の社長の本。
ジョニーは美味しい。
その背景には豆腐作りにめちゃくちゃこだわっていることと、
マーケッティングの視点がある。
いろいろ気づく点の多い、読んで面白かった本。
以下、気になった点。
商品単価を上げたかったから、量を大きくした。こぢんまりつくると絶対に売れない。お客さんの心理としては、量が半分になったとすると、値段は三分の一ぐらいまで下がらないと高いと感じてしまう。
みんなで相談してって世界からは、いいものは生まれないという確信がある。やっぱりクリエイティブなところは個人作業でないと無理な部分がある。
「一日何十個限定」みたいに宣伝で、そこででしか買えないようなことを強調する気はない。情報は少ないほうが面白いんじゃないか。直営店に来たら、常に何か新しい発見があるって方が面白い。
どこのスーパーにどの商品を置いているかなんて情報も、特に開示していません。商売的には、ホームページに取扱店リストを出すのがサービスなんでしょうけど。お客さんから「四軒回って、ようやく見つけて、ホントに嬉しかった」なんてメールをいただくことがありますが、探してる方だって相当テンションあがるとおもうんですよ。
ラインナップが確定してしまって、何もいじらないまま量産化に走ることが、一番怖い。常に変化し続けるしか、生き残る道はないと思ってますから。
中国で大量生産したものと競争していくには、ものの背景に世界観がなきゃいけない。それがなきゃ、ものは売れない時代だと思う。
日本独自のものの中にある格好悪さ。コンビニでチンしてもらった焼そばを営業車の中で食べて、車内に青のりが飛び散ってしまったり、ソースの匂いが残っていたりする。それが現実だし、僕らの生活なんですよ。そういう格好悪さの格好良さ。
伊藤 信吾
講談社
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